失敗を重ねながら学べる―合気道の魅力
以前、私はオートバイのライディングテクニックの上達に夢中になっていた時期がありました。休日になるとクローズドコースへ出かけ、少しでも技術を高めようと練習していました。
上達するためには、今までできなかったことに挑戦しなければなりません。当然、挑戦すれば失敗することもあります。ところがオートバイの場合、転倒すれば車体が壊れ、修理にはそれなりの費用がかかります。私も「転んだら修理代が……」と考えてしまい、思い切って試してみたいことがあっても、なかなか挑戦できないことがありました。
失敗から学ぶことは多いものです。しかし、その失敗に大きな代償が伴えば、どうしても挑戦することをためらってしまいます。
その点、合気道の稽古方法はとても優れていると感じています。
稽古では、理想とする動きや技を目指して何度でも試すことができます。うまくいかなければ、もう一度やってみる。それでもできなければ、何が違うのかを考えながら、また試してみる。その繰り返しの中で、少しずつ身体の使い方を身につけていくことができます。
もちろん、受け身をはじめ、安全に稽古するための技術を身につけることは必要です。しかし、失敗するたびに道具が壊れたり、大きな費用がかかったりするわけではありません。安全に配慮した稽古の中で、試行錯誤を何度も繰り返せる。それは、技術を学ぶうえで大きな利点だと思います。
スポーツや趣味の中には、上達を目指すほど、道具の破損や維持費、あるいは身体への負担など、さまざまな代償を伴うものがあります。それに比べると合気道は、比較的少ない負担で試行錯誤を重ね、自分のペースで技を身につけていくことができます。
私は、この「失敗しても、また試せる」ということこそ、合気道の稽古法の魅力の一つだと思っています。
上達を目指す人も、健康維持を目的とする人も、それぞれの目標に合わせて何度でも試し、少しずつ前へ進んでいく。そして何より、その過程である稽古そのものを楽しむことが大切だと思います。(栁澤)





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