初めての袴選び――「身長別サイズ表」は自分に当てはまるのか?
合気道を始める人の中には、袴姿に憧れる人も多いと聞きます。無刀会では、男性は初段、女性は三級から袴をはくことができます。
私も白帯のころは、「早く袴をはきたい」と思っていました。もっとも、私の場合は袴姿への憧れだけではありません。当時通っていた道場は、冬でも窓が開けっぱなしでした。
当然、寒い。
「袴をはけば、少しは暖かいのではないか」。今思えば、武道への憧れというより、防寒具への期待もかなり含まれていました。
そんな私も稽古を重ね、ようやく初段に昇段。ついに袴を買える日がやってきました。
ところが、いざ買おうとすると、袴選びには思いのほか高い壁がありました。メーカー、色、素材。そして、最大の難関がサイズです。
お店で試着できればよいのですが、ホームページで買うとなると、そうはいきません。身長に応じたサイズ表は載っています。「身長○○cmなら○号」。なるほど、これなら簡単そうです。
ところが、その近くにはたいてい、「あくまでも目安です」と書いてあります。初めて袴を買う人間にとって、この一言はなかなか不安になります。そもそも袴というものを一度もはいたことがないので、どのくらいの長さが「ちょうどいい」のかすら分かりません。
しかも私は、日本人男性の平均身長より低い。さらに昭和生まれの中でも、脚が長いほうとは言い難い。「この身長別サイズ表、本当に私にも当てはまるのだろうか」という疑問はありました。
しかし、考えていても仕方がありません。サイズ表を信じて注文しました。
数日後、待ちに待った袴が到着。さっそくはいてみます。
……短い。
裾は、くるぶしあたり。鏡に映っているのは、私が思い描いていた袴姿とは何かが違います。「そうか。これが『あくまでも目安』という意味か」と、ようやく理解しました。
せっかく初段になったのに、これではどうにも気分が乗りません。そこで私は、「合気道は、ほかの趣味に比べれば道具代のかからない武道だ」と自分に言い聞かせ、すぐにワンサイズ大きい袴を注文しました。
こうして私は、袴の着方より先に、袴の買い直し方を覚えました。
白帯のころ、あれほど「早く袴をはきたい」と思っていた私。実際に袴をはけるようになって最初に学んだことは――
昇段しても、サイズ選びまで上達するわけではない。





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